【東海三県協議会】東海三県父母交流会のご報告

【東海三県協議会】東海三県父母交流会のご報告

2月26日(土)、東海三県交流会をZoomにて開催いたしました。
例年9月に東海三県の役員が一堂に会し、交流を図っていますが、昨年度はコロナの影響下で開催できず、今年度はオンラインでの開催となりました。

まずは、父母会連携事務室 高瀬様より、開会のご挨拶と、来賓の方々のご紹介をいただきました。


明治大学より、渡邉友亮(トモアキ)副学長、連合父母会から、吉野由紀会長、御子柴嘉穂里副会長、安里恒夫副会長、小林めぐみ顧問がご参加くださいました。

次に、明治大学 渡邉友亮(トモアキ)副学長より、「明治大学の近況について」ご講演をしていただきました。

まずは、コロナ禍における本学の取り組みとして、オンライン授業の環境整備、緊急学生支援金の給付などについてお話いただきました。


めいじろう出演の感染症対策動画もご紹介いただきました。


コロナ禍で経済的に困った学生に向け、他大学に先駆けて緊急活動支援として10億円規模のファンドを立ち上げ、1300名程度に給付金を支給、また、新型コロナワクチン大学拠点接種について、昨年1万人強に接種を実施したとのことです。

そして、オンライン授業の形態について、2年前に始まった当初は“資料課題提示型”がメインで、学生にはあまり評判が良くなかったが、今ではほぼ、収録したものを配信する“オンデマンド型”と、対面授業に最も近い“リアルタイム配信型”が中心となり、非常に評判もよいということです。講義によってもいろいろあり、決まった知識をきちっと学んでいただくタイプの講義なら、“オンデマンド型”が何度も見られるので評判がよく、対話型の必要性のある講義については、“リアルタイム配信型”のほうが伝わりやすい、両方のいいところを工夫して合わせながら使っているということでした。

次に、国際化の歩みについてお話くださいました。


明治大学は、国際化のイメージがあまりないようですが、実は同規模の私学の中では国際化が進展している大学で、まず2009年に国際化拠点整備事業、通称 “グローバル30” に採択されて急激に進展し、近年、各種国際化推進事業が採択されているとのことです。スーパーグローバル大学創成支援事業 “MEIJI 8000” とは、毎年8000人が世界に飛び立とうという目標を掲げて進めている事業で、コロナ発生前の想定で2年後に実現ということでしたが、残念なことにこの2年間は留学生を受け入れたりができていないので停滞、しかしそれまでは非常に大きな伸びがあったということです。
ただ、明治大学のグローバル実績とイメージは乖離しており、実際には海外派遣者数は国立大も含めて2位にもかかわらず、イメージはMARCHの中で最下位。数字ではかなり上位に来ているにもかかわらず、国際化のイメージはまだまだ…。大学もブランドイメージが大切なため、世の中に積極的にアピールしていかなければならないと考えているということです。


その他の取り組み事例として、“海外トップユニバーシティ留学奨励助成金”があります。アメリカやイギリスなどの世界的に高いレベルの大学は、非常に学費が高いため、留学したい学生を積極的に支援することを目的として2017年設立されました。助成金Sは、年間300万を、助成金Aは、年間100万円を上限に助成しているそうです。


そして、関心が高い就職に関しては、”就職の明治”について、7つのキーワードについてお話くださいました。大切なことは、なるべく入学してすぐから主体的な行動をおこすこと。現代は、知識の価値そのものが低下しているから、授業をただ真面目に聞いて吸収しても何もない、自ら問題を発見する力が大事で、企業へ行って、やりなさいと言われてやる力、今はそういうのは求められていない。また、価値観の変化が著しい現代において、大学で専門的な知識を身につけるだけではだめで、変化に対応できる力を身につけていかなくてはならないと強調されました。


明治大学の今後10年間のビジョン、“グランドデザイン2030”について、受入研究費や、外国語による科目比率などの目標数値についてお話くださいました。


最後に、大学ランキングについて、何をもってランキングしているかによるのでひとつの目安程度にしかならないが…と前置きしながら、すべての項目でランクアップし、総合ランキング全国39位! 特に教育充実度のアップが顕著で15位であるとのお話でした。

次に、連合父母会会長の吉野由紀会長より、連合父母会の取り組みについてご説明をしていただきました。



父母会役員はボランティアで、だからこそ品格があり、明るく、楽しく、充実した父母会運営に尽力しなければならない、役員ひとりひとりが協力し合って、明治らしい父母会活動になるよう取り組むことが役割・使命とお話くださいました。
また、スポーツ応援や芸術活動の観覧などの行事に関して、役員の方たちだけの行事参加ではなく、一般会員の方にも広く参加が募れるような企画・立案と発信をお願いしますとのことでした。
2024年の父母会創立50周年に向けて、準備委員会が発足しており、その祝賀行事の際には、ぜひ“第二の母校 明治大学”の一員として駆けつけていただきたいとお話くださいました。

続いて、東海三県の交流会に移り、愛知県父母会 岡部豊生(トヨタカ)会長よりご挨拶です。


例年9月に開催している東海三県交流会ですが、コロナの感染拡大ということで、この二年間開催することができませんでした。今回の交流会に向けて三県で協議し、名古屋の会場に集まって、大学と連合父母会とオンラインで結んで意見交換、その後懇親会と準備を進めてきましたが、1月からのオミクロン株の爆発的な感染拡大で、会場での開催は断念し、今日のような全員がオンラインで参加するかたちになりました。それでもオンラインで何かできることはないのかなということで、この後、みなさんが一番関心があるだろう子どもたちの就職活動について、三重県の松本会長にセミナーを開いていただき、その後グループディスカッションをして交流を深めていきたいと考えています。ぜひ、連合父母会のみなさんにもご参加いただければと思います。本日のこの東海三県交流会がみなさんにとって記憶に残って、そして楽しい会となることを祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

次に、三重県父母会 松本圭介会長による「就職活動の現状 ~子供の為にできること~」と題したセミナーです。


三県交流会ということで、オンラインであっても、なにかみなさんとコミュニケーションをとりたい、なにかひとつのテーマについて話し合いたいな…ということで、「就職」というキーワードがいいのではないかということになりました。楽しく、かつ学びのある時間にできたらなと考えておりますので、お付き合いいただけたらと思います。


まず社会情勢ですが、こちらは、有効求人倍率のグラフです。コロナ禍ですが、いずれはよくなるだろう、当然人も必要になってくるだろうという企業の大局観を見据えると、当方で入手しております情報でも、4月以降も求人数がさらにあがっていくというところもありますので、楽観視しすぎてもダメですが、そこまで悲観することもないというのが現状です。
ただ、視点を変えると、300人未満の企業と大手企業との間に差が開いています。5000人以上の超大手企業では0.6倍から0.41倍と有効求人倍率が下がっています。超大手企業の求人数そのものが減っているわけではなく、数は実は微増しており、ではなぜ下がっているのかというと、大手を希望している学生が増えているからです。学生の希望がベンチャー志向というよりも、安定志向、大手企業への就職を希望するトレンドに少し入っていることがわかります。中小企業の方も、コロナ禍で、1.5倍から1.7倍というのも、求人数が増えたというより希望者が少し減り、結果倍率が上がったということになります。景気上昇局面というのはベンチャー気運が上がりますし、景気後退局面では大手志向が上がる。やりたいことに向けた仕事ができれば、どちらでもいいと思うんですが、目指す仕事、入りたい会社がもし大手企業であれば、競争は厳しくなっていることは認識いただく必要があります。
そういう状況の中で、就活生の悩みランキングトップ10(「就活の教科書」より)には、1位 自分のやりたい仕事の見つけ方がわからない、2位 あせりや不安から逃れられない といった言葉が出てきています。むすめも昨年の秋くらいに、何やっていいかわかんない、志望動機どう書いていいかわかんない、とずっと悩んでいて、そういう相談をよく受けていたんですね。渡邉副学長のお話にもあったように、勉強していい大学に行く、試験の点数を上げる、というところはしっかり枠組みが決まっているんですけど、何をしたいかというところに関しては、いきなり自分の主体性を求められる中で、どうしていいか悩んでしまうということが当然あるんですね。就活って人生最初で最大のストレスだと思います。働いたことがないのに、やりたいことを見つけて、わたしはあなたの会社に行きたいです、こんな仕事がしたいですということを言葉にしなくてはならない。すごく大変です。しかも企業側からは、いえあなたはいらないですというまさかの存在否定。これは大きなストレスになってきますので、こどもたちをどうやって支えていくのか、というのは我々がしっかり考えていかなくてはならないのかなと考えます。
そこで、大学側の支援に関してですが、各キャンパスに就職キャリア支援センターがあって、そこで学生さんは情報を得たり相談することができます。キャリアセンターでは、情報提供、相談、就職ガイダンス、自己分析講座などの行事を開いていただいて、また明大生向けの求人もしていただいている。そして何よりも一番大きいのが、相談だと
思います。東海三県から行っている学生ということは我々のもとを離れているわけですね。親が近くにいて相談にのってあげることができないという状況で、かつ就職活動という未知の領域に向かっていく中で、相談できる場所があって、知識のある方がいらっしゃるということを、あらためて、我が子に対して、なにか悩んだら相談しなよと言ってあげるということがとても大切なのかなと思います。キャリアコンサルタントの方も20名以上いらっしゃって、年間2万件ちかい相談が寄せられており、また企業側からキャリアセンターに年間3000社くらい来訪がある。そういう環境があるわけですから、ぜひ、我が子たちにもこういった情報を伝えていきたいです。
そして、我々ができることというのも考えていかなくてはなりません。まず、経済的支援ですが、就職活動全体にかかった金額はここ3年下がっています。コロナ禍で、移動費・宿泊費が、グンと減ったということなんです。オンライン面接がいいのか悪いのかというのをいったん棚上げすれば、就活をする費用が下がるというのは、当然学生さんにとってはプラスです。関東の学生さんでいえば、就活費用は22年度65,193円。2年生1年生のお子さんも、これくらいはかかってくると頭にいれておいてください。
オンライン等に伴う、就活環境の変化にともなって、お伝えしたいこととなんですが、単刀直入にこの二つは買っておいてください。


イヤホンマイクとリングライト、これは絶対必須です。
ふつうのパソコンのスピーカだと雑音が入ってしまうんですね。雑音がはいってくるとうまく聞き取れないですし、オンライン面接のときに相手にちゃんと言葉が伝わるかというのは、当然重要なので、用意してあるか確認して、なかったら買ってあげること。
あとリングライト、これはとても重要なんです。顔色が悪いと元気がないのかなと思われてしまいします。3000円くらい、安いと1900円くらいからありますので、オンライン面接等を考えると絶対用意してもらうといいと思います。必須アイテムです。
現在、リモート採用を導入している企業はどんどん増えていて、500人以上の企業であれば、もう6割、中小企業であっても2割くらいは導入しています。一次面接がオンラインというところは増えていますから、ちょっと暗くて印象悪い、ちょっと声が聞こえなくて評価が下がる、これは損ですよ、それだけでも改善していくといいと思います。
次に、お金だけでなく精神的支援ですね。たくさんのストレスを学生さんたち一人一人が抱えています。志望動機を考えるストレス、それを決められない自分へのストレス、また、自己分析がうまくできない、自分の強み・弱みがわからない、長所・短所を考えなくてはならない、感覚でしていたものを言語化しなくてはならない、こんなこともストレスとしてあります。インターンシップに受け入れてくれない、書類で落ちる、人生初の存在否定、こういったストレスを彼らは抱えながら、就活をしています。わたしたちとしてできること、ささいなことですが大切なこと、こっちから声をかけてあげる、話をきいてあげる。かといって我々の意志をおしつけるのではなく、見守る姿勢ですね。寄りすぎてもだめですが、遠くから見守る姿勢というのはとても大切であると感じます。3大NGは過干渉・過保護・無関心。つかず離れず、いい距離感が大切です。

笑いを交えた松本会長のトークに笑顔も…。
真剣な表情でお話に聞き入る参加者のみなさん。

ここからは、Zoomのブレイクアウトルーム機能で、数人のグループに分かれてフリートークです。15分程度時間をとり、その後、各グループのファシリテーターの方から発表していただきました。


コロナ禍でリモート授業が多くなってしまって、せっかくのキャンパスライフがエンジョイできていない。しかし、通学時間がなくなる分、時間を自分の趣味に使えたりプラスの側面も…。得意の英語を活かしたいけれど、今は、留学ができないという話が出ました。


文系のグループで、インターンに行かれた方が、イメージしていたものとは違ったとのことでした。文系の学生さんが、就活を始めてみて、企業が理系の学生を希望していると感じ落ち込んだと…。公務員希望、教員希望の方がいらっしゃいました。


こちらは理工学部中心の班で、4年生の方は大学院へ進学されるとのことです。大学でキャリアコンサルタントをやっている人もいらして、松本会長のお話を踏まえて、質問をしたりしました。親の役割、過干渉がよくなく、見守ること、経済支援が必要なことがよくわかりました。インターンのやりかたや、就職支援との関わり方、学生自身が十分発信して情報を得ることが大事だと教えていただきました。


全員理工学部の班で、3年生の2名は大学院への内部進学を考えているということでした。2年生の方は、キャリア支援センターをうまく使うよう話をしますねとのことでした。1年生の方は、まだ就職というよりまず学校生活、大丈夫かなというところで、男のお子さんだと連絡がなく、ほかのみなさんも同じで都合のいいときしか連絡がこないという話が出ていました。


1年2年が多い班でした。全員共通していたのが、男女問わず、東京へ行って地元に帰ってくる気はなさそうだ、東京での就職を考えていそうだなというのがとても印象的でした。あと、男子の場合、お子さんからの情報が入ってこない、なにも言ってこない、女子の場合は相談があるということでした。

そのほか、部活をがんばっている学生さんが就活やインターンシップをいつからどんなふうにしたらいいのだろうかという話や、留学に関してコロナ禍の数字も示してほしいという話、中部圏にも大企業はあるが、Uターン就職の情報があまりなくて苦戦する、もしくは情報がないので東京で就職することになるので、大学側には地域の就職情報を期待したい等のお話がありました。

最後に、東海三県父母会を代表して、岐阜県父母会 浅井康男会長よりご挨拶です。


このコロナ禍、子を持つ親といたしましては、心配事が多い中、国際化、就活支援等、着実に前に進んでいる明治大学の近況を確認することができ、わたくしども安堵している状況でございます。吉野会長には、連合父母会の取り組みについてお話いただきました。連合父母会が何をおこなっているのか、何を目指しているのか、本日のお話を拝聴してよく理解できたのではないかなと思っております。
さて三県の父母会のみなさま、本日は本当にお疲れ様でございました。三県交流企画は、昨年の11月の駅伝応援会以来でしたね。今回は、当初名古屋にて一堂に会して開催を企画しておりましたが、残念ながら、リモート開催となってしまい、非常に残念に思っております。次回こそは名古屋にみなさん集まって親睦を深められたらいいなと思っております。
さて、今回第三部では、三県オリジナル企画で「就職活動の現状 ~子供の為にできること~」を班分けして、時間を設けてディスカッションしていただきました。もう少し時間がとれれば、もっと盛り上がることができたと思いますが、どうかこれを機会に本日のメンバーでも今後情報共有されてみてはいかがでしょうか。またみなさま、各県にこれから戻られますが、就職活動、就職情報にとどまらず、困っていること、悩んでいること、時にはお得情報の共有なども父母会コミュニティを利用して頂けましたら幸いです。最後になりますが、本日ご参加いただきましたみなさまの、益々のご健勝とご活躍を祈念いたしまして、わたくしの挨拶に代えさせていただきます。本日はありがとうございました。

そして、いつものように「やっぱり明治がナンバーワン!」で締めくくりました。



お忙しい中、ご参加くださいましたみなさま、ありがとうございました。

オンラインだと、なかなか全員で話し合ったり、気軽に発言したりすることがむずかしいですが、数名の班にブレイクすることで会話もはずみ、あっという間に設定時間が終わってしまいました。ほかの県の役員さんと交流ができとても有意義な時間だった、今度対面で会える日が楽しみだ等のご意見が終了後のアンケートに寄せられました。

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m.aichifubokai@gmail.com