2024年11月1日 明治大学シェイクスピアプロジェクト(MSP)訪問インタビューの報告
本番10日前(例年は約2週間前)から始まる「アカコモ入り(いり)」より5日目となる11月1日にMSPを訪問しました。
『アカコモ入り』とは何?
総勢200名を超えるMSPメンバーは、6月にスタートするキャストオーディションや各セクションへの立候補により年毎に結成されます。MSPメンバーは最初、和泉校舎等各々の持ち場で、部署によっては夏休みもほぼ返上し活動をします。
そして本番10日前(例年は約2週間前)に、いよいよ全部署が公演会場となるアカコモ(=アカデミーコモン)に活動場所を移して、ラストスパートで舞台を仕上げていきます。その期間のことを『アカコモ入り』といいます。
この間、MSPメンバーは朝9時から夜9時まで缶詰でアカコモで活動(作業)をするため、全員の絆がより一層強まる時間になります。
私達を迎えてくれたのは、MSPのコーディネーターとして、学生からの絶大なる支持をお持ちの井上優教授(文学部)と制作部の4年生です。
制作部では、OBを含む外部のプロのスタッフ6名へのお弁当・飲み物やごみ袋の用意、メンバー全員分のプロジェクトTシャツ手配と配布など、”舞台以外のすべてのこと”を担い東奔西走しています。また近隣飲食店に出向き、お弁当の協力などをお願いに行ったり、スポンサーを探したりと、まさに企業の総務×広報のような部署のようです。そして、次年度のキャストオーディションの企画と担当も担うため、次回の演目をいち早く知るのも制作部の仕事であり特権です。(演目は井上教授が選定)
「”何より、お客様を誰よりも最初にお迎えして誰よりも最後までお見送りできる”のは唯一制作部のみ。これが制作部の最大の魅力で4年間続けています!」。そう語ってくれました。
訪問時はちょうど2Fビクトリアフロアで「通し」(通し稽古)の最中でした。本番同様に進む演技を、演出、演出助手をはじめ関係者がずらっと前面の机に座り見守る、というまるでメディアでみるような光景が広がっていました。廊下には早着替え用の衣装や、小物が置かれ、衣装部さんとメイクさん(もちろん全員学生です)が待機していました。
向かいの会議室では制作部、映像スチール部、衣装部、音響部がそれぞれ最終チェックを、広報担当がひたすらSNS(記事最後参照)の作成を、また、本番会場となる3Fのホールでは舞台美術部、照明部がおそろいのプロジェクトTシャツを着用し念入りに作業を進めていました。舞台上には既に見事なセットが配置され、OBを含む外部のプロのスタッフが高所作業車に乗り、照明部の指示で天井照明を調整するなど、なんともプロフェッショナルな空間になっていました。
その他、コラプターズ(翻訳部)はすでに作業完了、楽器隊(オーディションあり)は、本公演の千秋楽までキャストと共に本番さながらに舞台上で活動します。
アカデミーホールでの作業中にもかかわらず、舞台からおりて私達に説明をしてくれたのは、舞台美術部チーフ(2年生。1年から舞台美術スタッフとして参加)です。
「今年のモチーフは宮殿と森。1つのセットに仕掛けを施し、宮殿と森の場面転換を表します。個性豊かな登場人物になぞらえ森の樹々も1本1本個性を持たせました。また、空間を利用した”吊るし”(天井から吊るセット。少々のネタバレご容赦を)にもご注目ください。光(=照明)による時間軸や場面展開等の効果を最大限に生かすべく工夫を取り入れています。最も苦労したセットは、実は大きなものより小さなもの。客席には見えない部分でも、キャストの方のストーリー性を崩さぬよう小道具にも細部までこだわっています。」
(チラシのメインカラー(グリーン)の意味、皆様も本番でわかりますよ、きっと!)
2024年度プロジェクトメンバー総勢206名全員にいきわたるように用意した、駄菓子の差し入れをお渡しし、アカコモを後にしました。
果たして本日見聞きした断片が本番でどのようにひとつになるのか・・・
~明治大学シェイクスピアプロジェクト21回公演「お気に召すまま」~
11月8日(金)より11月10日(日)まで計5公演がいよいよカウントダウンです。お楽しみに!
【MSPのSNS等】
https://profu.link/u/shakespeare2004…
引き続き、インタビュー報告第2弾を後日ご報告します。