【神奈川県東部地区父母会】第6回明治大学連合父母会文学賞表彰式報告(2-19)
第6回明治大学連合父母会文学賞 表彰式報告
2月19日(木) 18:00~於:紫紺館4階会議室
連合父母会後援による文学賞の表彰式も今年で6回目を迎え、会場には平日の夜にもかかわらず、各方面から大勢の方々がお祝いに駆けつけました。神奈川県東部地区父母会からは髙橋会長、丹澤顧問含め21名の役員が列席させていただきました。
表彰式は、川本連合父母会副会長の司会により定刻過ぎに開式が宣言され髙橋連合父母会長と林文学部長によるご祝辞の後、福宮学長からは、お祝いと感謝の言葉とともに「農学部や商学部の学生が受賞されたことは素晴らしい。言葉を紡ぐ作業の苦労は大変であるが、その力が人の心を動かし、感動させる。今後も創作活動を通して、心を豊かにしてほしい。」との温かいお言葉をいただきました。
今回、倉橋由美子文芸賞には3作が佳作に入賞し、阿久悠作詞賞には大賞と佳作3編が選出されました。
まずは、倉橋由美子文芸賞選者を代表して越川文学部教授より、講評をいただきました。
菊池和美さん(農学研究科3年)の『梨下の太陽』は「一番安心して読める作品。古い時代の小作農の話だが、白樺派のような印象があり、心温まる結末である。農業の知識が随所にちりばめられ、学生としては異色だ。ただ、安定感がある反面、ストーリーに驚きがないことが、今後の課題」
須田俊輔さん(文学研究科1年)の『金魚の憤死』は「エロティック。男女の営みを見ている金魚に語らせる、という設定。金魚の視点やセリフの言い回しをもう少し工夫すると大賞となるかもしれない。」
松ケ迫美貴さん(文学部4年)の『リリス・ピンク』は「男女の境界を超えるという設定で、ある女の子がオカマに女性の仕草等を教えてもらう、というもの。最後まで面白く読んだ。今後の活躍を期待したい。」
続いて、エイベックス・エンタテインメント顧問の飯田氏より、阿久悠作詞賞についての講評が行われました。
青木佑太さん(文学部3年)の『風の通り道』は「七五調から始まる、真摯に人生を見つめた作品。詞の運び方が格調高く、完成度が高い。ただ、全ての答えを用意しているような印象があるので、読み手に想像させる余地を残すような詞であるともっと良かった。」
松本航平さん(文学部2年)の『リンドウ』は、「タイトルに”リンドウ”という渋い、しとやかな花を選んだ作者の感性が面白い。出だしが強烈な印象だが、書き出しを地味に、そこから派手にしていくという展開にしたら、構成の妙が出て良いのではないか。」
御供絢香さん(文学部1年)の『exception』は「リズム、メロディー、ハーモニーがすぐに頭に浮かんでくる作品。所々キラキラと光るようなフレーズがあり、詞の主人公の思いの丈が伝わるような詞。その視線の先にどんな魅力的な女性がいるのか、心象風景を垣間見るような詞があればもっと良くなる。」
木村匠さん(商学部1年)の『浮き世のお芝居』(大賞受賞)は「まず浮世離れしたタイトルが目を引く。誰が歌ったら面白いだろうかを考えさせる詞である。誰もが歌える詞ではないところに、この詞のうまさだけでなく、強さ、個性を感じた。なかなか本音が聞こえてこない今の時代のもどかしさを誰の声で伝えるべきか、様々なイメージを喚起する大変魅力ある作品」
さらに飯田氏は、「山崎ハコさんにメロディーと歌をお願いしたところ、気持ち良くお引き受けいただいた。
ギターの弾き語りで完成した曲は、詞とメロディー、そしてハコさんの歌が合わさって、思わずほろっとさせるような、心に沁みるとても素晴らしい曲になった。」と、大変感動したお気持ちを言葉にされました。山崎ハコさんは、「今回、このようなお話をいただいたことはとても嬉しく光栄に思う。一字一句違えず、深いけれども暗くならない曲作りを目指した。大変勉強になった。」とご挨拶され、曲作りに対する深い情熱を語ってくださいました。最後に飯田氏は「常にアンテナを張って、時代の匂い、息吹を感じ、自分自身の美学と合わせて作品作りに邁進してほしい。それが阿久悠先生の思いでもある。」と締めくくりました。
受賞者挨拶の中で木村さんは、「栄誉ある賞をいただき、嬉しい。ありきたりの言葉ではなく、普段使わない言い回しを使うよう心がけた。タイトルにもこだわり、サビから持ってくるのではなく、曲のキーワードとなる言葉を使った。連合父母会の皆様、飯田さん、山崎さん、ご支援くださった全ての方々に心よりお礼申し上げます。」と喜びと感謝の辞を述べました。
会場には『浮き世のお芝居』の楽曲CDが流され、山崎ハコさんのしっとりと温かく深みのある歌声は、静かに聴き入る列席者の心を魅了しました。
表彰式終了後の祝賀会では、受賞者とそのご家族を中心に活発な交流がなされ、終始和やかな雰囲気のうちにお開きとなりました。
この賞が更なる飛躍の足掛かりとなることを願うとともに、意欲ある学生たちの下支えとなるよう、父母会としてこれからも応援していきたい、と気持ちを新たにした一日となりました。
広報 深谷