【神奈川県東部地区】平成28年度 関東大学ラグビー対抗戦A 早稲田大学vs明治大学戦 応援報告
2点差を追う後半40分過ぎ、早稲田のゴール前で乾坤一擲のFW勝負を明治が仕掛ける。既にロスタイムに入っている。3万人近い観衆の視線が楕円のボ-―ルの行方を注視する。あと3mを押し込めば明治の勝ち、撥ね返せられれば敗け、勝敗はただその一点に掛かっていた…。
さる12月4日に、秩父宮ラグビー場で今期の最終戦、伝統の明早戦が行われました。当日は12月とは思えぬ暖かい日で、煌めく陽光の下、神奈川県東部地区父母会の会員、役員に役員OBの皆さんも加わり、約80名の大応援団が固唾をのんで試合開始を待ちます。
14:00試合開始の笛が鳴り響く。前半9分にトライ、21分にペナルティゴール(以下PG)を決め、10-0 とリードした。明治のパス回しが冴え、スピードのある横展開からの攻撃は、早稲田のバックス陣を翻弄した。
しかしさすがは歴戦の雄、早稲田である。一瞬の間隙を縫って明治陣を鋭角に切り裂いてトライ。さらにはオフサイドのPGも決め、前半終了時には10-10と追いつかれた。明治のパスワークに対し、早稲田は走力にものを言わせて対抗する。明治のヨコと早稲田のタテのいずれが勝るか。勝負は後半戦に委ねられた。
後半戦は一進一退が続く。 後半8分に早稲田が先攻してトライ(10-17)、この試合初めてリードを許す。不安がよぎるが、17分にゴール前の混戦から果敢にトライを決め同点にする(17-17)。さらに23分には中央から桶谷主将にパスが一閃、ゴール左隅に倒れこむ(22-17)。ついに逆転。勝利の女神は明治に微笑んだと思ったのだが…。33分にゴール中央にトライを決められ再び逆転を許す(22-24)。双方見事な攻防で、伝統の一戦らしい闘いとなった。陽は西に傾きつつあったが、グラウンドを照らしているのは白昼のそれであった。ボールを抱えて選手が走ると、つられて地面に濃い影が躍った。
そして冒頭の場面が訪れた。明治は早稲田の堅塁を抜けず、ゴ-ルラインを目前にして痛恨のペナルティー。ノーサイドの笛が鳴り試合終了。2点差の惜敗である。勝機もあったかもしれない。しかし全ては一連の勝負の流れの中で見るべきで、個々のプレーの是非を論ずべきではない。選手は万斛の涙を飲んだと思うが、堂々と胸を張って欲しい。
伝統の一戦に新たな一頁を加えた名勝負であった。最終戦が終わり、明治は帝京、早稲田に次ぐ第3位で今期の日程を終えた。
皆さんも是非応援にいらしてください。 選手たちの懸命なプレーをその眼に焼き付けて
ください。 あなたのその声援が、その汗のひと雫が、その腕のひと振りがあれば、あるいは勝てた試合だったかもしれません。
あなたの力を貸してください。 私たちと一緒に応援しましょう。
『奪い合う ことの喜び 一心に 集めてはずむ ラグビーボ-ル』(俵 万智)