【東京都南部地区】尾関直子教授講演会のご報告
東京都南部地区父母会では、3月23日(土)大学会館にて国際日本学部の尾関直子教授による講演会を
行いました。
テーマは「大人のための外国語習得方法:言語習得のメカニズムを知ろう!」。
我々大人世代にとっての語学習得方法を詳しくレクチャーしてくださいました。
開始前、受付でアンケート用紙と白紙の用紙の2枚を受け取り、「この白紙は何に使うの?」「まさか英語で何か書かされるの?」と、少々不安になりながら、先生の講演会がスタート。
早速、謎の用紙について先生から説明がありましたが、説明はすべてEnglish。まずはA4サイズの用紙を半分に折って、更にそれを半分に折り、お山を作ったら、片面に自分のファーストネームをローマ字で記入するというものでした。結果、それは机上に置く名札だった訳ですが、「なんだ、そういう事か!」と、安堵したのも束の間、なんとなくその理由が分かったような気がしました。
次は、配布されたアンケートにTrue or Falseで答えます。
・英語は,早く学習すればするほど、学習の成果が出る 等の質問が8個。
となりの人と相談しながら考えます。
ここで前出の名札が登場。案の定、答え合わせの際に先生が名前を読み上げながら指名していきます。
なるべく下を向き、先生と目が合わないように、当てられないようにと心の中で祈るのですが、まるで学生時代に戻った感じで、こういった場面はいくつになっても緊張します。
他にも「第二言語習得のメカニズム」や「Critical Period」についてお話がありました。
中でも印象的だったのは、プロジェクターで中国の(エリート校ではない)ごく一般の小学校3年生の英語の授業風景が映し出された時でした。
留学経験もなく、ご自身で勉強された先生の英語力もさることながら、英語学習を始めてまだ半年という生徒たちの驚くべき英語力。当然グループワークも英語で行います。すべて英語で行われる授業のレベルの高さに圧倒されながら、早期教育の重要性について改めて考えさせられました。中国語と英語は文法が似ていると聞いた事があったので、それも一理あるのかと思いましたが、子供のうちは文法など一切関係がないとか。
また、発音に関していえば、ネイティブと同様に話すのは、遅くても12、3歳頃まで。それを過ぎると、第一言語すら完全に習得するのは不可能との事でした。
幼い子供の脳は、同時に複数の言語にも柔軟に対応ができ、無限の可能性を秘めているそうです。
私達みたいに中学校に入学してからだと、時すでに遅し、なんですね。
完璧な発音は無理でも、語学を習得するのに早い遅いはなく、何歳からでも大丈夫という事でしたので、
是非、先生の訓え通り、Input ⇒ Intake ⇒ Output の順で学習してみましょう。
【まとめ】 大人になってから英語をマスターするには・・・・
1.多量のインプットを受ける。英語を読んだり,聴いたりする。
2.アウトプットする練習をする。できる限り,話したり,書いたりする。
3.知性は英語を話したり,理解したりすることとは関係ない。ただし,論文を書いたり,高度なリーディングなどをするには,知性がある程度影響する。それは,日本語も同じである。
4.モチベーションが大事である。そのためには,何か小さな目標を立てて,それを達成することを繰り返す。
5.単語は,コンテクストの中で覚える。数回,その単語に出会わないと覚えないし,使えないので,
input,interaction を多くする。
あっという間に時間となり、もっとたくさん先生のお話を伺いたかったのですが、「次の講演会は全て英語でやりましょう!」と仰ってくださったので、期待しつつも、ちょっと尻込み覚悟で、次回の開催を心待ちにしたいと思います。講演会終了後は隣室で懇親会が開かれ、立食形式で食事を頂きながら、先生を取り囲んで楽しく歓談、話が尽きることはありませんでした。
先生は「父母会大好き♡」を公言されており、私たち父母に対してとてもフレンドリーに接してくださいますし、その日本人離れした雰囲気や語り口調、所作に魅了された方も多かったのではないでしょうか。
当日は寒の戻りで朝から肌寒かったのですが、南部地区役員、及び一般会員はじめ、他地区役員、
お子様が国際日本学部で学ばれているご父母など、大勢の方に講演会に足を運んでいただきました。
尾関先生、並びに、ご参加いただいた皆様、どうも有難うございました。