『生田キャンパスツアー 生田キャンパスで歴史と麹を学ぼう!』実施報告

『生田キャンパスツアー 生田キャンパスで歴史と麹を学ぼう!』実施報告

2026年3月20日(土)、神奈川県東部地区に立地する生田キャンパス(農学部、理工学部)を巡るツアーと農学部農芸化学科 中島春紫教授の講義と味噌作り体験を実施しました。

一般会員20名、父母会役員19名、ガイド役理工学部学生1名が集合しました。
あいにくの雨の中でしたが、満開のしだれ桜が出迎えてくれました。

ガイド役を務めたのは、工学部(現・理工学部)卒業生の役員と、理工学部の現役学生である山口さんです。参加者は二つのグループに分かれてツアーを開始しました。

ガイド役が現役学生と知って早速、学校生活について質問が投げかけられていました。また、工学部(現・理工学部)卒業生の役員ガイドからも、在学当時の経験を交えた説明があり、グループ毎に明るく楽しいキャンパスツアーとなりました。

最初に訪れたのは、生田キャンパス内にある「生田神社」です。現在の生田神社は、かつて登戸研究所の神社に祀られていた知恵の神・八意思兼命(ヤゴコロオモイノカネミコト)を分祀して創建されたものと考えられています。当時は「弥心(やごころ)神社」と呼ばれ、慰霊祭や戦勝祈願が行われていたと伝えられています。

戦後、神社はアメリカ軍に接収されましたが、昭和25年に明治大学が豊受大神(とようけのおおかみ)と天照大神(あまてらすおおかみ)を祀り再建しました。境内には「登戸研究所跡碑」があり、「すぎし日は この丘にたち めぐり逢う」という句が刻まれています。戦中・戦後、公にされることのなかった研究所での日々を、数十年を経てようやくこの地で振り返ることができたという、当時の所員たちの複雑な思いが込められています。

続いて訪れたのは、生田キャンパス奥にある「平和教育登戸研究所資料館」です。わずか30分という短い見学時間ではありましたが、初めて訪れた参加者の皆様は、学内にこのような歴史的に重要な資料館があることに驚き、熱心に展示をご覧になっていました。「改めて訪問したい」という声も多く寄せられました。資料館はどなたでも見学できますので、ぜひ一度足を運んでみてください。

また、正門近くには、動物実験で用いられた生き物を供養する「動物慰霊碑」もあり、戦争のない平和な世界を願う場ともなっています。

生田キャンパスには歴史的施設がある一方で、新たなシンボルとして「センターフォレスト」が誕生しました。教室機能、図書機能、ラーニングコモンズ(自主学習環境)を備えた共用教育棟です。

ヒマラヤ杉を取り入れた洗練されたデザインと充実した学習スペースが印象的で、学生たちがうらやましく思えるほどの環境でした。

見学後には、中島研究室の学生の皆さんが、昨年仕込んだ味噌を使った温かい豚汁を振る舞ってくださいました。お弁当とともに味わいながら、工学部(現理工学部)卒業生である父母会役員による「明治大学クイズ大会」も楽しんでいただきました。

明治大学グッズが全問正解者へプレゼントされました。

午後は、中島春紫教授による「発酵」と「麹」をテーマにした講義を受講しました。日本食は、食材の良さを素直に引き出す工夫によって発展してきたこと、微生物が嫌気的に有機物を分解してエネルギーを得る現象が“発酵”であることが紹介されました。「納豆」や「なれずし」など、慣れないと食べにくい食品もありますが、発酵の過程で微生物がたんぱく質をアミノ酸へと分解し、旨味が生まれることが説明されました。

味覚の基本である五味のうち、日本の調味料「さしすせそ」の“す・せ・そ”はすべて発酵食品に関わっています。講義では、手間のかかる麹菌の培養をはじめ、食酢、塩こうじ、しょう油、味噌といった日本を代表する発酵食品についても詳しくお話しいただきました。一時間にわたる講義は大変興味深く、参加者の皆様は熱心に耳を傾けていました。

講義のあとは、いよいよ味噌づくり体験が始まりました。まず、米麹と塩を丁寧に混ぜ合わせ、味噌の基礎となる「塩切り麹」を作ります。

次に、研究室の学生の皆さんが事前に柔らかくゆでておいてくださった大豆を袋に入れ、瓶などを使ってよくつぶしていきました。

この工程は時間がかかりますが、豆のつぶし具合によって出来上がりの味噌の滑らかさが大きく変わる大切な作業です。参加者の皆さんが一生懸命に大豆をつぶす様子を、中島教授が見て回りながら丁寧にアドバイスしてくださいました。

その後、種味噌を加えて全体をよく混ぜ合わせ、空気が入らないようにラップで覆ってタッパーに詰めました。仕込んだ味噌は夏を越す頃には食べられるようになるとのことで、参加者の皆さんは「どんな味に仕上がるのだろう」と期待を膨らませながら大切に持ち帰りました。

体験を通して、終始優しい笑顔でご指導くださった中島教授、そして準備から当日のサポートまで尽力してくださった研究室の学生の皆様、キャンパスツアーガイドを務めてくれた山口さんに深く感謝申し上げます。
また、ご参加いただいた皆様にも心より御礼申し上げます。